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イメージセンサー新旧の性能の比較

同じセンサーサイズでも、オンチップマイクロレンズの配置の工夫や低ノイズ化などでどんどん良くなっていくので、最新の1型や4/3型なら、一昔前のAPS-Cに追いついてるのではないか?という話もよく聞きます。

買う前に知っておいて欲しいことと言うより、古いセンサーと最新のセンサーの画質の差はどのくらいなのだろうか?個人的な興味から、海外のDxOというサイトでイメージセンサーの性能を点数化して、評価しているサイトがあるので、そこの数字を使って比較していきたいと思います。

DxOでは、総合点はいろいろ重み付けをしているので、総合点ではなく測定の値を使って、プラスαをしたもので比較しています。

DxOの数値の読み方

・Color sensitivity[Color Depth](bit)

色深度と訳されていますが、どれだけ沢山の色を判別できるかを表したもので、階調性能と言ってもいいともいます。これが大きいほどグラデーションが綺麗につながると考えて間違いがないです。22bitを超えると相当素晴らしい成績と言われています。

・Dynamic Range(ev)

ダイナミックレンジ、これはシャドーからハイライトまでの記録出来る輝度差を示しています。おおざっぱに言えば、これが大きいほど黒つぶれや白飛びが起こりにくいと言えます。

・SNR(dB)

DxOの詳細ページに行くと読める項目です。センサーのノイズレベルを表示しています。

・Low-Light ISO

これはDxOのサイトでの評価で使われるもので、DxOで定めた一定の品質を保てる最大感度を示しますが、今回の比較ではこちらの数値は使いません。

追加

・Tonal Range(bit)

グレースケールを何ビットで分解できるかを示し、輝度情報がしっかりと記録されている写真は解像感がよくなります。また私の想像ですが、Dynamic Range÷2^Tonal Rangeの値が小さいほど、中間階調がきめの細かく表現でき、トーンジャンプが起きにくい思われます。

比較グラフの項目

今回比較するに当たって、単純に、Color sensitivity[Color Depth](bit)とDynamic Range(ev)とSNR(dB)をたしてあります、今回はDxOの800万画素正規化(プリント)におけるベンチマーク値を使用しました。(当初公開したものと変更しました)

独自追加要素

・実効感度補正

今回このデータをとってわかったことなのですが、設定感度と実際の感度に隔たりがあるようなのです。中には設定感度・ISO400にもかかわらず、実効感度が194と1段以上下回るものもありました。そのためISO400同士で比べようとしても、実質、ISO300とISO200というような状況でした。実際の感度が低ければ当然ノイズなどは少なくなり、ポイント値としてはよく見えてしまい、新旧の比較としても微妙になってしまうため、ISO400とISO1600の比較のデータには補正値を設定してあります。

*実効感度が設定ISO感度より数値が高めの場合は明るめ、低めの場合には暗めに写る傾向があると言われていますが、カメラ内の現像処理で適正な明るさとなるように加工される場合もあるようです、それを踏まえた上で、明るさを大きく処理すればノイズなどの影響が見えやすくなると思われるので補正値は残します

補正値は、こちらのサイト様のエクセルマクロをお借りし、スプライン補完をつかって算出しました。(これにより初日に公開した、根拠のない肌感覚だけで決めた補完値より、はるかに適切な補完値となったと思います。)

・諧調の細かさ

2016/06/23以前の算出方法に誤りがあったため修正しました、私の想像で入れた項目です、算出方法としては、(Dレンジ÷2^Tonal Range)×10として、10階調あたりの階調の幅を求め、その逆数をスコア値としました。1階調あたりにすると影響が大きく出すぎたため10階調あたりとしてあります。

*8ビット=256階調(2の8乗)

今回比較した機種

フルサイズ・APS-Cサイズ・1型機については、メーカーによるぶれは少なくしたかったので、すべてニコンでそろえ、4/3型はオリンパス機でしらべました。年代は2008年・2012年・2014〜15年の3グループとしました。フルサイズは上位機と中級機の2台、APS-C・4/3型・1型機はDxOの総合得点の一番高かった機種を代表として選びました。

古いセンサーと新しいセンサーのスコア比較グラフ

クリックすると、グラフを大きくすることも出来ます。

基礎感度のほうは、そのカメラの最大性能です。基礎感度の場合、機種により感度がばらばらなので、実効感度による補完は行わずに比較してあります。

ピーク性能で比較すると2008年発売のフルサイズ機D700が89.87に対し、2015年発売のAPS-C機D7200が94.87と、今回の比較条件で見れば、D700よりもかなりスコアが高くなっています。他にも2008年発売のAPS-C機D90の85.41に対して、2015年発売のOM-D E-M5は86.69と、こちらも一昔前の1サイズ上のスコアを超えています。おおむね最新のセンサーは一昔前の1サイズ上の性能に近い〜超える最大性能を出せるといってもいいという結果になりました。

しかし、基礎感度はカメラによってはISO64だったり、ISO200 とばらばらのため、実際の使用感や使い勝手はかなり変わってしまいます。そこで、ISO400やISO1600といった感度でそろえて比較した場合も比べてみました。出来るだけ感度をそろえるためにこちらの比較では実際の感度を重視し、補正値を入れてあります。

D700のISO1600のスコアは70.57に対しD7200では66.48となり、わりとはっきりとD700の方が高いスコアを示しています。同様の傾向は他のサイズでもみられ、おおよそフルサイズのISO1600のスコアは68〜72、APS-Cは63〜66、フォーサーズは54〜62、1型は55〜57となっていました。

感度をそろえて比べた場合はやはり、サイズの差がはっきりとスコアに表れているため、7年程度では完全には一つ上の大きさのセンサーには追いついていないと言えそうです。一方で同じフルサイズ同士、APS-C同士など同じサイズで比べると着実にスコアが伸びているのもわかります。

今回の比較を見る限りだと、ISOをそろえた条件では、センサーサイズの差が大きく、ピーク性能で比べた場合は1世代前のワンランク大きいセンサー性能を超えるものもあるという結論になりました。

グラフを作った数値データはこうなっています

もし興味があれば、今回まとめたデーターをエクセルファイルにしてありますので、こちらからDLしてみてください

エクセルデータ

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