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ズームレンズと単焦点レンズの違い

カメラ用のレンズには、おおざっぱに分けてズームレンズと単焦点レンズの2種類のレンズがあります、実際に使うとその違いはすぐに分かるとは思いますが、ズームレンズと単焦点レンズの違いや特徴を書いていきたいと思います。

ズームレンズとは

ズームレンズは焦点距離をある範囲で自由に変更でき、画角を変化させることが出来るレンズを指します、例えば28mm-85mmというレンズがあれば、焦点距離を28mmから85mmの間であれば、自由に変化させることが出来るという意味になります。

画角については、こちらに詳しくまとめてありますが、その一部をこちらにもそのまま乗せておきます。下の焦点距離をクリックすると画角(写る範囲)が変わります

超広角 広角 標準 中望遠 望遠 超望遠
35mm換算焦点距離 17mm 25mm 28mm 35mm 50mm 60mm 70mm 85mm 105mm 135mm 200mm 300mm 500mm
さきほど、例に挙げた28-85mmでしたら、上の28mmと85mmの範囲ならどの画角でも自由に選べるのがズームレンズの特徴で、一本で多くのシーンに対応でき非常に便利なレンズなため、現在の主流のレンズと言えます。

とくに28-300など非常に広い範囲で変化が出来るレンズを高倍率ズームレンズといい、レンズ交換が出来ないコンパクトデジカメなどでは、20倍以上の非常に高い倍率を持つレンズをつけたカメラも存在します。

何倍ズームの倍とは

ちなみに何倍ズームの何倍というのは、望遠側と広角側の比率で広角28mm望遠280mm(28-280mm)というレンズの場合、280÷28=10で、10倍ズームと呼ばれます、あくまで比なので極端な話、100-1000mmも10-100mmも同じ10倍ズームということになり、何倍だけでは画角を判断できません、画角を見るときは35mm換算焦点距離に注目しましょう、ただ、高倍率ほどカバーしてる画角が範囲が広いことは間違いないです

高倍率ズームの弱点

10倍や20倍といった高倍率なズームレンズが一本あれば十分と思われる方もいると思いますが、実はそう簡単でもないのです、と言うのもズームは倍率が上がれば上がるほど画質を保つのが難しくなっていくのです

例えば、この設計だと28mmはよく写るんだけど、280mmはシャッキと映らない、280mmをシャッキと綺麗に映るように設計すると今度は28mmがダメになると、こっちを立てるとあっちが立たないと言うことが多く、結局どっちも中間ぐらいの写りの設計となります、そのため画角の変化範囲が広くなればなるほど妥協せざるえない部分が増えるため、一般的に高倍率ズームレンズは、便利だけど画質面では低倍率ズームレンズの方がよいのです、実際、画質重視の高級ズームは2倍〜4倍程度なのは、こういった理由があるためなのです。

ズームの魅力

ズームレンズ全般に言えることは、単焦点レンズで数本以上の画角をたった一本のレンズでこなせるので、レンズ交換の回数をすくなくできますし、荷物も減らせるため、単焦点レンズより便利というのがズームレンズの最大の特徴といえます。また、画質を重視した高級ズームレンズとなると、単焦点レンズに匹敵するほどの高画質となります。

単焦点レンズとは

単焦点レンズは、ズームレンズと違い画角を変化させることが出来ないレンズとなります。撮りたい画角とあわない場合にはレンズ交換をする必要が出てくるため、ズームレンズに比べると、やや扱いが面倒という短所がありますが、単焦点レンズには単焦点レンズにしかない魅力や特徴もあります。

単焦点レンズの魅力

単焦点レンズの最大の魅力はなんと言っても、画質がいいことといえます。ズームレンズの方で高倍率ズームより低倍率ズームレンズの方が高画質になると書きましたが、同じことはズームレンズと単焦点レンズにも当てはまります、単焦点レンズは、ただ一つの画角だけの画質追求して設計すればいいのに対し、ズームレンズはある一定の範囲の画質を追求しなければなりませんから、単焦点レンズのように完全に特化した設計というわけにはいきません、なので数万ぐらいの単焦点でも、画質面では10万円を超えるような高級ズームレンズに匹敵するものが多いのも単焦点レンズの特徴と言えます。

単焦点レンズは、ズームレンズに比べF値が小さい(明るい)のも特徴となります。ズームレンズは多くの補正レンズを必要とする分、どうしてもF値が大きく(暗い)なってしまいます。ですから単焦点レンズは、ズームレンズより被写界深度の自由度が高い、また被写体ぶれも起こしにくいというのも特徴の一つです。

単焦点レンズは、補正に必要なレンズが少ないため、ズームレンズより価格を抑えられるのも特徴と言えます。例えば、比較的明るい標準ズーム28-85mmF2.8といったレンズの場合、10万円を超えるレンズがほとんどなのに対し、この範囲の単焦点レンズの場合、5万円以下のレンズが多く、被写界深度の浅い写真を撮りたいけど、予算は少しでも抑えたいと言う場合、単焦点レンズは非常にいい選択となります。(最高画質を目指して作られるようなエース級の単焦点レンズは10万を超えますが・・これは、ある意味別格と言える存在です)

価格が安い、F値が小さい(明るい)と同じ理由となりますが、補正に必要なレンズが少ないため、同じ画角を含むズームレンズより、小型軽量となるのも単焦点レンズの特徴と言えます。手持ちの単焦点レンズとズームレンズで大きさを比較してみました、単焦点レンズの中でも比較的小柄な50mmのレンズのため、やや大げさな差がついてしまいましたが、小型化できるという特徴としては分かりやすいのではないでしょうか

ズームレンズと単焦点レンズの大きさの比較

単焦点レンズは、同じ画角を含むズームレンズと比べ、F値も小さく(明るく)、レンズの大きさも小さいのが分かるかと思います。

小型にできるという特徴を最大限に発揮してるレンズとしては、なんと言ってもスマートフォンや携帯についてるレンズと言えます、いくら小さいセンサーを使ってるとはいえ、あのわずかな厚さの中にズームレンズ収めるのはとても無理で単焦点レンズだからこそできたと言えます。ズームレンズが主流とは書きましたが、スマートフォンも含めると一番普及してるのは案外、単焦点レンズかもしれませんね

ちなみに、スマホで撮影するときにピッチアウト(指を広げる)と画角変えられるよって思われた方もおられると思いますが、スマホのレンズはあくまで単焦点レンズで画角の変化は出来ません、中央部をソフト的に拡大して擬似的に画角を変える、デジタルズームという方法となり、実際に画角を変えた訳ではないため、大幅に画質が低下してしまいます。スマホで画角を良く変えて撮影する方で、ちょっと画質に満足できないなーと思ったら、ズームレンズを搭載したコンパクトデジカメなども考慮してみるのもいいかもしれませんね。

単焦点レンズとズームレンズどちらが良いか

最終的に一番気になるのはどっちがいいか、と言う話になってくると思うのですが、どちらもメリット・デメリットがあるため、一概にどっちがいいとは言えないのです。ざっくり表にまとめるとこんな感じになります

ズームレンズ 単焦点レンズ
便利さ ○手軽 交換の回数が多くなる
荷物 ○減らせる 増える
レンズの重量 重い ○軽い
明るさ 暗い ○明るい
画質 やや劣ることもある ○全般的に良い
価格 高価 ○安価

ざっくりまとめるとこんな感じとなります

ズームレンズのいいところはやはり手軽な点や荷物を減らせるという点です、単焦点レンズは、複数の画角に対応させようと思うと、数本のレンズが必要となり、総重量ではズームレンズより重くなることもあるので、荷物が減らせるというのは大きなメリットと言えます

単焦点のメリットは画質が良い、明るいという点が大きなメリットなので、ステップアップとして、単焦点レンズを選ぶと今までとは違う写真が撮れて楽しいです。いろいろ撮影していくうちに、自分はこのくらいの焦点距離で良く撮影するというのが見えてきたら、その焦点距離に近い単焦点レンズをぜひ検討してみてください。

ズームレンズVS単焦点レンズ・画質(シャープさ)勝負

友人からAF-S Nikkor 85mmF1.8Gを借りることがでいたので、AF-S Nikkor 70-200F4.0Gと比較しました。85mmF1.8Gは2012年2月発売で62000円(メーカー希望価格)で、70-200F4.0は2012年11月発売で190000円(メーカー希望価格)と、発売時期も近く同世代のレンズなので、世代差の影響はほぼ無視でき純粋に単焦点レンズVSズームレンズと出来るかと思います。

レンズの写りはシャープさだけでなくボケ味や発色なども大事ですが、ここではシャープさに注目して比較したいと思います。

まずは、絞り開放同士で比較

70-200mmF4:F4.0左端 85mmF1.8:F1.8左端
70-200mmF4:F4.0中央 85mmF1.8:F1.8中央
70-200mmF4:F4.0右端 85mmF1.8:F1.8右端

絞り開放は諸収差の影響でシャープさが落ちるレンズが多く、絞り開放同士で比べると、70-200mmF4.0のズームレンズの方がややシャープなようです。

開放F値が全く違うので、単焦点レンズのF値をズームレンズの開放F値であるF4まで絞った場合を比較してみます。

70-200mmF4:F4.0左端 85mmF1.8:F4.0左端
70-200mmF4:F4.0中央 85mmF1.8:F4.0中央
70-200mmF4:F4.0右端 85mmF1.8:F4.0右端

どちらのレンズもかなりシャープですが、右端や左端の木の枝や葉を見比べると、85mmF1.8のほうがシャープなのが分かります。基本的に中央より周辺の方がシャープさは下がるので、画質の差は周辺部分に出やすいので、このような結果になりました。次は、ズームレンズもF8まで絞った状態で比較してみます。

70-200mmF4:F8左端 85mmF1.8:F8左端
70-200mmF4:F8中央 85mmF1.8:F8中央
70-200mmF4:F4.0右端 85mmF1.8:F8右端

どっちもシャープでともに周辺部分までくっきりしていますが、じっくり見比べるとやや85mmF1.8G(単焦点)の方がシャープな感じがします。6万の単焦点レンズと19万のズームレンズなので、価格差を考えれば単焦点レンズの画質のすごさが分かるかと思います。

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