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ある程度、カメラをさわってくると、被写界深度 という言葉が出てきます。(被写体深度という方もおられますが、個人的には、被写界深度の方がより正確な表現だと思いますので、ここでは被写界深度で統一しています。)
これは、ピントがあっているように見える範囲のことを指していて、範囲が広いと被写界深度が深い、狭いと被写界深度が浅いといいます
この図は、ピントを合わせてる場所は、中央のモデルとして、ピントが合ってるように見える範囲を白色で表してみました。
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実際のピントは中央の女の子ですが、被写界深度が深い場合は手前にある自転車 奥にあるブランコもシャープに写ります。 |
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被写界深度画浅い場合、ピントの合っている女の子はシャープに写りますが、手前にある自転車、奥にあるブランコはぼけて写ります。そのため、ピントの合っている女の子だけが浮き上がって見えます |
*正確には、ピント面より手前のものがシャープに写る距離(前方被写界深度)は短く、ピント面より後ろのものがシャープに写る距離(後方被写界深度)は長くなりますが、上の図ではわかりやすくするために、中央に配置しています。
実際の写真ではこんな感じ
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この写真は右の写真に比べて、ピントの合ってる範囲が狭い被写界深度が浅い写真です。 |
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この写真は左の写真に比べて、ピントの合ってる範囲が広い被写界深度が深い写真です。 |
被写界深度が違うと雰囲気の違う写真になります。
この被写界深度の変化には、次のような特徴があります。
被写界深度 浅い←-------→深い |
||
絞り | 絞りを開く (F値小さく) |
絞りを絞る (F値大きく) |
レンズの 焦点距離 |
長く(望遠) | 短く(広角) |
被写体まで の距離 |
近く | 遠く |
被写体と背景の距離 | 遠く | 近く |
被写界深度と絞りと焦点距離の関係を知っておくと表現の幅が増えますので、覚えておいて損はないと思います
大きな背景ボケをとるには
1.絞りを可能な限り開く(F値を小さく)
2.レンズの焦点距離を長く(望遠)
3.被写体に近づく
4.ぼかしたい背景はできるだけ遠くする
この4条件を満たすことで大きなボケが得られます。
実焦点距離 200mm(*35mm換算焦点距離とは違います)で、F値を変えながら撮影しました
F値をクリックして、被写界深度と雰囲気の違いを見てください
F2.8 | F4 | F5.6 | F8 |
F11 | F16 | F22 | |
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どうでしょうか? F2.8やF4あたりですと、ピントの合ってる黄色い花が目立つ感じで、黄色い花に自然と目がいったとのに対して、F22では全体的にはっきりと写るため全体に目がいったと思います
*おまけ
背景をぼかすには、できるだけ望遠・F値は小さく・被写体に近寄る・背景は遠く、の4点ですが、具体的に50mmF5.6で2mぐらいだと、背景はどのくらいボケるの?となると、私は感覚と経験則で、うーん、50mmでF5.6で2mでしょ?、あんまり大きくはボケは期待できないじゃないかな?たぶん・・という感じでした
しかし、最近、背景が無限遠の時の、背景ボケの大きさを計算する式というものを知ったので、その式で計算するものページを作ってみました、例えば、手元に24-105mmF3.5-6.3というレンズがあったとします、「24mmF3.5で50cmまで近づいて撮った背景ボケと105mmF6.3で2mで撮った背景ボケだと、どっちが背景ボケ大きいの?」という疑問も、経験則だけでなく、具体的な「数値」として、どっちが大きくボケるかを知ることができます。興味があれば、いろんな数値を入れてみてください
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ある意味、定番の撮り方、ピントが合っているコンパニオンに素直に視線が行くため、引き立って見えます。記念撮影だけじゃなく、こんな感じで撮るのもいいのでは? |
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イチョウ並木で撮影しました。大きくぼかしたためにきらきらと輝いて、雰囲気としては、いい感じに撮れてると思います
記念撮影でも、その場の雰囲気を伝えるようなぼけを利用した、写真もあっていいかもしれませんね |
ペットや人の写真を撮る場合に被写界深度を浅くして、背景をぼかすと、ぼけているところよりもピントの合ってるところに自然と視線が行くため、ペットや人がぐーんと、引き立って見えます。
また、背景ぼけを利用すると奥行き感を出したりすることもできます
場合によっては、ビシっとシャープに写るより、ぼかした方が雰囲気が出ると言うこともあります。
ただし、 ピントがあってるように見える範囲が狭いため、ピントについてはよりシビアになりますので、撮りたい物、目立たせたい物にはしっかりピントを合わせるようにしてください
被写界深度の深い写真の例 |
探したのですが、なかなかいい例が見あたりませんでした。
看板が人だと思ってください m(__)m、記念撮影の多く場合、人はもちろんどこで撮ったかも大切ですし、背景もくっきり写したいですよね |
風景や記念撮影では、多くの場合、手前から遠くまでくっきり写したいですよね、せっかくの記念撮影なのに・・一緒に写した建物がぼけていたら・・あれれ〜 って感じですよね
被写界深度の深い写真となると、逆に全体的に目がいくので全面的に見せたい場合や背景をぼかさずに写したい場合などに利用します
反面、背景がきちんと整理されていないと、主要被写体が背景に埋もれてしまい散漫な写真になりやすいので、背景処理や構図などは浅い被写界深度の写真よりも、シビアに決めていく必要があります
実は、スマートフォンは、アプリなどのの加工を行わないと被写界深度の浅い写真を撮るのは難しいのです。
というのも、スマホのイメージセンサーは1/3型(4.8×3.6mm)が主流で、高級コンパクトやミラーレス・一眼レフと比べてかなり小さいイメージセンサーを使用しているため、レンズの焦点距離が4mm前後と非常に短く、たとえF1.8などの明るめのレンズを搭載してるスマホであっても、マクロ撮影以外はアプリの力を借りない限りまず背景が大きくボケることはないと考えてよいです。
若干古い内容ですが、下の記事でコンパクトデジカメをスマホと読みかえていただければ、デジタル一眼レフとのスマホの被写界深度の違いを予想できると思います。
最近のデュアルレンズを搭載したスマートフォンでは、背景をぼかしたような写真が撮れるモードがあり、これと一眼レフやミラーレスなどで実際のレンズを使って被写界深度を浅くした写真を比較してみました。
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